「メイジ:ジ・アセンション」は、現代に生きる魔術師となり、さまざまな神秘の能力を用いて世界を導くロールプレイングゲーム(RPG)です。 魔術師はファンタジーRPGにおける一般的な魔術師と違い、非常に特殊な存在です。 現代での希望の星であり、退廃が待つ世界においてでさえ、たとえ無駄だと分かっていても未来に対して導かなくてはならない存在です。そのためには各自が持つ特殊な能力を巧みに操り、物理法則までも捻じ曲げることが可能です。 プレイヤーは魔術師となり、出自の氏族によって強力な能力とともに、理念を持って活動を行わなければなりません。 この世界では魔法を使い、世界の真の姿に直接干渉できるようになるものの、科学秘密結社の罠や迫害などで、時には身を滅ぼすようなことにもなってしまいます。 キャラクターを作る段階で、自らの魔法の方向性をあらかじめ定めながら、氏族のポリシーに従ってキャラクターを構築していきます。 このゲームは、姉妹ゲーム「ヴァンパイア:ザ・マスカレード」と同様に「ワールド・オブ・ダークネス」の存在の中にあります。 現代と同じ世界でありながら、現代とは倫理観も精神的にもずれた世界であり、複雑な思惑が入り混じり、さらに破綻と硬直した環境を漂わせています。 魔術師はこういった世界観で生き残るすべを心得、さらに強力な能力と退廃的な世界に対する葛藤をうまく生かしながら、ストーリーを作っていく部分がこのゲームのストーリーテラーの腕の見せ所です。 確かに魔術師の魔法は強力ですが、明らかに科学秘密結社のターゲットにされ、さらにはその魔法の存在が自らのアイデンティティを問う場面も出てきます。 魔法、そして魔術師の生き様をどうストーリーに展開するかが、このゲームの醍醐味だと思います。 |