スカート
（協力：恵三、いぶやん）

スカート： skat.jpg

Skat("playing Card32"/--)
60min. 3players

スカートとは? 「スカート」は19世紀のはじめにドイツで生まれたトランプゲームです。おおもとはシャープコッフをベースに、オンブルやタロックのエッセンスを交えたゲームです。今ではドイツを代表するゲームとして知られ、本国ドイツはもとより近隣諸国、アメリカやオーストラリアにもプレイヤーが多数いらっしゃいます。 スカートは日本にもゲーム愛好家の中でも着実に人気が広まり、ゲーム会でも遊ばれる機会が増えています。 もちろん名古屋EJFにも愛好家は多く、毎回スカートのテーブルが立つほどです。 なお、私設団体である日本スカート協会も存在し、スカートの振興を行っております。

スカートのルール

人数：
3人
カード：
32枚ドイツパック
ゲームの目的：
1人のプレイヤーが宣言者となり、自分の宣言したコントラクトを達成するために残った2人を相手に戦います。
ディール：
手札は各10枚、最初に各人3枚、次に場に2枚、各人に4枚、最後に各人3枚配ります。ディーラーの左をフォアハンド、ディーラーの右側をミドルハンドといいます

カードのランク、札の得点：
宣言者のコントラクトにより、カードの強弱が変わってきます。
普通にトリックをカードを取った場合の強さと得点は以下の通りです。ＣＪ＞ＳＪ＞ＨＪ＞ＤＪ（これはトリックをとる場合のゲームでは常にこの順番で、そこに書かれたスートに関係無く切り札スートに属します。）常にジャックが以上の順番で強く、あとは以下の通りです。このゲームではジャックのことをマタドールと呼びます。
マタドール以外のカードの強さは、Ａ＞10＞Ｋ＞Ｑ＞９＞８＞７です。カードの得点は、Ａ＝11、10＝10、Ｋ＝４、Ｑ＝３、Ｊ＝２で、全部で120点あります。

ゲーム選択：
各プレイヤーは手札を見て、以下のゲームを選ぶことが出来ます。
�@切り札を使うスートゲーム
スートゲームは、各スートを切り札にした場合に基本点が用意されていて、以下の通りです。
・ダイアモンドの場合、基本点９点。
・ハートの場合、基本点10点。
・スペードの場合、基本点11点。
・クラブの場合、基本点12点。
�Aグランドゲーム
グランドゲームはマタドールだけを切り札にした場合のことです。基本点は24点。
�Bミゼール
宣言者はノートランプでプレイし、トリックを1つも取らない事を目指します。カードのランクも変わり、通常のＡが一番強く７が最弱となります。これらのいくつかの条件により、そのスコアが違ってきます。

ゲームバリュー：
ゲームプレイの前にコントラクトを決めるために競りを行います。そのために自分の手札がいくらくらいの価値かを説明します。
先に説明した基本点に乗数（マルチプルファクター）が加わります。この乗数は以下の要素があり、そこで出てきた数字を足していき、それにゲームの種類の基本点に掛け合わせます。
�@マタドールの数とその連続関係
このゲームではこの連続関係を表わすものに、ウィズとウィズアウトというものがあります。どちらの場合も4枚のマタドールの後に来るのは、切り札スートのＡから下がっていきます。
・ウィズ
ウィズというのは最強の切り札ＣＪから、どれだけ切り札が続いているかを表わします（何枚ジャックを持っているかではなく、何枚のジャックから続く切り札が続いているかです。）。
手札にＣＪ、ＳＪとあった場合はウィズ2で、ＣＪとＤＪがあっても、その間の入るＳＪ（とＨＪ）が抜けている場合はウィズ1となります。
・ウィズアウト
ウィズアウトというのは逆に、最強のＣＪから続けて何枚切り札が抜けているかを表わします。
ＨＪとＤＪがあった場合、ＣＪ、ＳＪと2枚抜けているということでウィズアウト2となります。ＳＪとＨＪとＤＪを持っていてもＣＪが無い場合はウィズアウト1です。
�Aゲームファクター
ウィズとウィズアウト以外には次の要素があります。それぞれ達成できれば1 つずつ加わります。
・ゲーム（必須）：カードの点数で61以上。ミゼール以外でこれに成功しないと自動的に宣言者の負け。
・ハンド：スカートを取らずに手札だけでプレイする。
・シュナイダー：カードの点数で90点以上。
・シュナイダー予告：プレイ前にシュナイダーを取る予告をして成功する。
・シュワルツ：すべてのトリックを取る。
・シュワルツ予告：プレイ前にシュワルツをとる予告をして成功する。
・オープン：プレイ前の手札公開。
�Bミゼールの場合
ミゼールの場合はあらかじめ基本点が決まっています。ミゼールの場合、宣言者がトリックを取ってしまった時点で負けとなります。
・ミゼールスカート使用：23点
・ミゼールハンド：35点
・ミゼール・スカート・オープン：46点
・ミゼール・ハンド・オープン：59点
�Cオープングランド
オープンでグランドゲームを行う場合も、あらかじめ36点と決められています。


得点の細かなルール：
スカートでは各プレイヤー、自分の手札とゲームにおける点数を考慮して競りますが、実際にプレイした場合、競り落としたときより点数よりも上だった場合、そのスコアがそのまま計上されることに注意して下さい.

競り：
競りはフォアハンドから行います。
フォアハンドが競りに参加したい場合は「イエス」、参加したくない場合は「パス」と言います。フォアハンドがパスすれば、競りの順番はミドルハンドに移ります。フォアハンドが競りに参加したあと、ミドルハンドも競りに参加したい場合はミドルハンドはゲームバリューを下から上に競り上げていきます。
ビットは最低の18からミドルハンドははじめます。この競り上げに対してフォアハンドはイエスかパスを宣言します。フォアハンドがイエスの場合は更にミドルハンドが競り上げ、フォアハンドがパスなら降りになります。
どちらかのプレイヤーが降りた段階でディーラーとの競りが始まります。この場合最低の18ではなく、以前の数字をそのまま引き継ぎます。競りをする場合、フォアハンド寄りがイエスを宣言し、ディーラー寄りがバリューの数字を宣言します。
3人ともパスの場合はラムシュにします？

宣言者決定：
競りが終了し宣言者が決定したら、宣言者はスカートを使うかどうかを決定します。
なお、スカートを使うとシュナイダー宣言、シュワルツ宣言が出来ませんので、これらの宣言はスカートを見る前に行なわれます。
もし宣言者がスカートを使わない場合、ゲームの種類を宣言し（もしあればシュワルツ宣言などをし）、プレイが開始されます。
もし宣言者がスカートを使う場合、宣言者はスカートの内容を確認し、２枚のカードを伏せた後ゲームの種類を宣言します。それからプレイが開始されます。

プレイ：
最初の打ち出しは常にフォアハンドから行います。トリックテイキングの法則に従います。
各プレイヤーはリードと同じスートをフォローし、フォロー出来ないときは切り札を使うか捨て札にするかは自由です。ただし4枚のマタドールはそこに印されたスートではなく、切り札スートに属します。
10トリック終った時点で得点計算です。

計算：
宣言者はスカートを確認し、自分の獲得したカードの点数とスカートの点数を足して61点あるかを調べます。61点無かったら失敗で、61点以上あったら自らの宣言したゲームバリューに届いているか調べます。
ゲームバリューを達成、もしくはそれ以上取っていたらその得点が宣言者に加算されます。
失敗したらこのゲームで達成されたであろうゲームバリューの点が罰点となり、それが相手側に加算されます（宣言者の失点にしてもいい）。
また失敗した場合以下条件によりペナルティが加わります。
・スカートを使った：罰点が2倍
・スカートを使用し、相手が90点以上取った（逆シュナイダー）：ゲームファクター1加算
・スカートを使用し、相手が全トリック取った（逆シュワルツ）：ゲームファクター1加算

棄権：
宣言者になってスカートを取った場合、ゲームバリューの変化などでゲーム点に届かないと思ったときは、棄権が出来ます（この場合ウィズアウトで宣言し、スカートの中にマタドールが入っていた場合にあります。）。
この時の失点は、ゲームが来ていたら獲得したであろう得点が罰点となります。

コントラ、リコントラ：
コントラクトブリッジでいうところのダブル、リダブルがこれです。
ビットが決定した後最初のトリックが行われる前に、宣言者でないほうは、そんなビットは達成できないという信がある場合に関して、コントラを宣言して得失点を2倍にすることができます。またこれに対し、宣言者がビットの達成に自信を持っているなら、リコントラを宣言して得失点を4倍にすることができます。

ラムシュ：
3人ともパスになったらラムシュを行います。ラムシュになった場合はスカートを取らずにＪだけが切り札となり、トリックテイキングを行ないますが、得点が一番高いプレイヤーに失点としてそのポイントが与えられます。もしも他の2人がトリックを取っていない場合は、失点は2倍となります。
スカートは最後のトリックを取ったプレイヤーのものになります。

ビット早見表

ejf@iris.dti.ne.jp−名古屋EJFホームページ